FC2BLOG 新・電子の花火と夢のあと |今更ながらの映画版リングについて

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今更ながらの映画版リングについて

さて、このブログも放置しすぎなのでたまには記事らしい記事を書かねばなりませんね。
書こうと思ってるネタはいくつもあるのですが、ここ数ヶ月仕事が激務な上にPSUというネットゲームにハマっているものなので、ブログ自体の更新が滞ってましたから・・・。
ミクシィには微妙に日記を書いていたりするんですがねw

復帰第1弾・・・というのはおかしな話ですが、今回のネタは映画版『リング』でいこうと思います。


僕は基本的に、人気小説が映画化された場合、まずその原作を読んでから映画を見ることにしています。
理由はふたつあります。

まずひとつは、単純に映画になると駄作になってしまう作品が多いので、高い評価を受けた原作を知っておきたいからです。
せっかく「面白い」って評判の作品を前にガッカリするのも嫌ですしね。
それに映画になるとどうしても尺の関係で原作のエピソードが削られてしまうという点もあります。結構重要なエピソードも削っちゃって物語自体が破綻した映画なんていくらもありますしね・・・。

もうひとつは、原作を映像化する上で、映画監督が原作をどのように料理するかを楽しむためです。
それには原作を知っていなければ成立しません。
原作が小説の場合、元の情報量が多いために2時間の映像作品にするにはどうしてもエピソードを削らなければなりません。
ただ削るだけの監督もいれば、原作とは違うエピソードをオリジナルで作って整合性を合わせる監督もいます。
特に後者のような、映画オリジナルで整合性を合わせてくるような作品を見ると、感動します。
あの素材をそんな風に料理するのか!って具合に。


とはいえ、この二つ目の理由を僕が考えるようになったのは、実は映画版のリングを見てからなのです。
それまでは原作に忠実じゃないと満足できないという性分でした。

原作と違う→だから作品としては評価できない。

そんな考えを持っていました。

なぜ僕の中でそのような変化が起きたのか、それを順を追って説明していきたいと思います。
そのためには、まず軽く原作版リングについて説明しておこうと思います。


原作では主人公の浅川は男です。
それもテレビのディレクターではなく、週刊誌の記者だったりします。
浅川は、とある高校生グループ全員が変死するという怪事件を追っている内に”呪いのビデオ”の存在に気づきます。
そしてうっかりそのビデオテープを見てしまうのです。

──見た者は全員7日後に死んでいる

その時点ですでに数人死んでいるという事実が浅川の上に重くのしかかり、それを単なる偶然として笑い飛ばせるほど余裕はなくなってました。
浅川には妻と幼い子供がいます。彼らのためにも死ぬわけにはいきません。
誰かに助けを求めたくても、呪いのビデオテープなんて与太話を信じてくれそうな人なんていません。

どうすればいいか・・・浅川はそう悩んだ末、学生時代に同じクラスだった高山竜司の存在を思い出します。
特に親しいわけでもなかったけれど、ちょっと変わったところもあるただのクラスメイトでした。しかし彼はクラス一頭の切れる奴でした。
彼に助言を求めれば、この状況を打破できるかもしれない。
そんな思いを抱き、浅川は高山に助けを求めます。

高山はやはり少し変わり者らしく、浅川の言うことを信じてくれました。いや、それだけでなく自分もビデオを見たいと言い出したのです。
さすがに浅川は戸惑いましたが、高山は自分もそのビデオを見ないことには力になれないというので、仕方なく見せる事にしました。

映像の方は全く意味のなさない映像の羅列で、正直わけがわかりません。
そのビデオを見た高山はある仮説を立てます。

この”呪いのビデオ”は、何者かが死ぬ間際にその怨念をビデオテープに念写したものではないか。
ならばこの意味不明な映像を解明し、この怨念を残して死んだ者を探し出して供養してやれば”呪い”の効力も消えるのではないか。


その仮説が正しいかどうかはわかりません。
ただ、7日後には自分の死は宣告されているとなれば選択肢は他にありません。
こうして浅川と高山は、ビデオテープに残された映像の意味を解明すべく旅立ちます。



ちょっと説明するつもりがかなり長くなってますが・・・。
まあ、原作の序盤のあらすじはこんな感じです。
映画版は基本設定から手を入れています。
映画では浅川は女性になってます。しかもその配役は松嶋菜々子。
映画的に考えるとこれはかなり英断だと思います。
原作では浅川と高山は30代前半の男です。しかもストーリー上この二人が出ずっぱりなので、原作を忠実に再現したら全く女っ気のない映像になってしまいます。
サスペンス映画などは男女2人ですし、やはり主人公の片方が女性である方が映像に華があります。
そういう意味では、浅川を女性に変更したのは英断だと思います。

浅川を女性に変更した点を上手く利用して、高山竜司との関係も上手い具合にアレンジされています。
なんと、映画では高山は浅川の別れた元夫という事になっているのです。
このアレンジには舌を巻かれました。
原作での浅川と高山の関係はかなり特殊ですし、それを映画という限られた尺の中で説明するには時間がかかりすぎます。
しかし元夫なら話は簡単です。
別れたとはいえ、自分の元妻と子供の命が危ないと知って駆けつけない男はいません。

映画というのは誰でもわかりやすく、しかも限られた時間内で説明しなければなりません。
浅川と高山のわかりにくい関係を、こんなわかりやすい形にアレンジするなんて・・・。
この設定変更には感心するばかりです。


リングの映画の素晴らしかった所は、作品のイメージをホラー色を強く打ち出したところです。
原作はどちらかというと、ホラーというよりも呪いのテープの謎を解いていくミステリー要素の方が強い作品です。
映画では敢えて謎解き要素よりも、ホラー色を重視する演出を徹底しています。

その、大きな成功例が、あの貞子のビジュアルイメージです。

ビデオを見ると、井戸が映っていてそこから前髪を垂らした女が這い上がってくる・・・。
原作にはこんな映像は一切ありません。このビジュアルイメージは映画オリジナルものです。
しかし世間では、貞子=前髪を垂らした女、という構図ができあがってしまいました。
しかもこのビジュアルイメージが思いの外怖いこと怖いこと・・・。

本来、貞子の出生やその死についての謎を解いていく物語なのに、映画は貞子が這い上がってくる恐怖を前面に押し出した作りになってます。
原作と違って謎解き部分はかなりいい加減だし、電話で気づくという真相もかなりアレだし・・・。

しかしホラー映画を見に来た人は、謎解きよりも貞子が怖いことを期待しているのです。

そう、これは『リング』という素材をホラー映画に再構成したものなのです。
その再構成する際に、視聴者のニーズに合わせて柔軟に形を変えて誰にでも受け入れやすいものになっています。
このアレンジの手腕が、この映画の素晴らしい所なのです。

その事に気づいたとき、ただ忠実に映像化するだけが映像作品ではないことに気づきました。
こういう、”原作”という素材を噛み砕いて一旦バラバラにし、改めて映像作品にする時にどの部分を核に添えるか・・・。
リングで言えばそれを”ホラー”という要素を抽出し、それがもっとも活きる形に再構成する。

確かに原作と同じおもしろさを求めてこの映画を観ても、恐ろしくつまらない作品なんです。
僕も最初観たとき、そういう視点で観てしまったのでおもしろさを感じることはできませんでした。
ですが、原作の話を頭から追い払って純粋に映画単体として楽しむようにしてもう一度観てみたら、これが凄く面白い。

なるほど。これはヒットするはずだ。
リング以降、邦画のほとんどがホラー映画になってしまったのもわかる気がします。


リング以降、僕の中でも作品の見方が変わりました。
それまでは原作に忠実でないと我慢できなかったのに、今では原作と違う部分を楽しむ余裕が生まれました。
でも考えてみれば、違うメディアの作品をそのまま映像化するなんてことは無理な話なんですよね。
それぞれのメディアにはそれぞれの特性があり、それぞれに長所と弱点を持っています。
違うメディアに移植する時点で、その弱点は補わなければならないし、そこを補おうとすれば必ず原作とは違うものになってしまいます。
要は、その違いを上手くアレンジして作品としての整合性を保てれば良いのです。
その違いを楽しむというのも、ひとつの楽しみ方ではないかと感じるようになりました。

そういう意味では、リングと映画は僕の中では大きな存在なのです。

・・・とはいえ、映画の『模倣犯』は許すことができないくらいアレな作品である事は譲れませんw
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