その4まで膨らんでしまったPSOネタも、これでやっと完結です。
書きたいことが色々ありすぎて、ついついこんなに長くなってしまいました。
それではあと少し、お付き合いください。
第1回 『ファンタシースターオンライン』 その4ゲームというものは、本来内に閉じた存在でした。
一人で楽しんだり、二人で楽しんだりするもので、いわばその人のコミュニティの範囲を出る事はない存在でした。
やがてインターネットが普及し、それを利用してゲームをプレイする、ネットワークゲームが誕生しました。
人間は古来より群れをなして生活する動物であり、それがやがて文明が生まれ大きな社会構造を作っていきました。
ゲームも、プレイヤーが一人や二人しかいなかった世界から、数百人のプレイヤー達が同じフィールドで共存する世界になりました。
そこでは、単純にゲームに関するセオリーから、そのゲーム特有のマナーなど、いわば一つの文化と呼べるようなものまで生まれてきたのです。
そう、ネットゲームというのは、
ゲームの世界上でもうひとつの社会を生み出したのです。僕よりあとにネットゲームを始めた人はこう言っていました。
「なんでゲームでこんなに気を遣わなきゃならないんだろう・・・」確かに、今までのオフラインゲームでは他人の目を気にする事はありませんでした。
ゲームとは、本来閉じた世界であったために、その人のエゴや欲望をシステムの許す限りどこまでも実現できるものだったのです。
それが数百人が動じ接続するという、開けた世界になったために、己の欲望をある程度は抑圧する必要性が出てきました。
現実世界で溜まったストレスをゲームで好き勝手やって発散する、という事が、ゲームであるのにできない世界になってしまったのです。
言い換えれば、ゲームの世界も現実の世界と同じように他人への思いやりを忘れてはいけない世界なってしまったのです。
現実の人間関係で疲れている人には、さらに娯楽としてのゲームにまで人間関係が出てくる事に疲労を覚える事は確かです。
「ゲームくらいは・・・」という気持ちになるのもよくわかります。
しかし、開かれた世界になると言うことは、同時に今までに味わったことのない刺激に満ちた世界になりました。
単純に、ゲームをプレイしていて自分以外の存在がいるという面白さ。
単純に、同じ趣味の友達ができるという面白さ。
そして一番刺激的なのは、現実世界じゃとうてい知り合う事ができなかったような職種の人たちと友達になれてしまう楽しさ。確かに人間づきあいの煩わしさを持ってきてしまうというマイナス面もありますが、ネットワークが持つ本来的な面白さ・・・つまり、同じ嗜好を持つ人との出会いというのがあるので、そんなマイナス面も吹き飛ぶほどの中毒性があるのです。
さらにゲームというフィルタを通すため、その出会い自体も演出じみた印象的な場合もあったりします。
僕も、今ラグナロクで入っているギルドのマスターとの出会いは、まるでコントのような出会い方でしたしw
話がPSOからズレてしまいましたが、とにかくネットゲームというのは大きな刺激に満ちた存在だったのです。
しかし、まあ・・・僕もPSOを始めたのは二十歳そこそこだったので、まだ人付き合いについて下手くそな所があって、色々な事がありました。
途中参加してきたプレイヤーの傍若無人さに腹を立てたり、仲良くして人を怒らせてそのまま縁遠くなったり、些細なことからケンカになってそのまま絶縁状態になったり・・・。
今思い出しても胸が苦しくなるような出来事ですが・・・でも逆に、これらの出来事があるから、今の僕の立ち位置というのを確立できたわけです、今にして思えば良い経験でした。
人との関わり合いで辛い面があっても、PSOはやめることができませんでした。
いや、やめるつもりは微塵も起こらなかったのです。
それはなぜかと考えると、やはりPSOにはネットゲーム黎明期独特の熱気があったからでしょう。
PSOをプレイしていた当時は、仲間にまだ学生の人がいたので、接続すれば必ず仲間の誰かがいるという状況でした。
接続すれば、気心の知れた仲間が必ずいるというのは、とても心地良い環境でした。
そして毎日、その仲間達と集まって、今日は何をして遊ぼうか相談するのです。
PSOは取っつきやすくするために複雑なシステムを敢えて外したゲームでした。だからやれる事は限られていました。
それでも、当時はネットゲームという大きな可能性を秘めた大海原にみんなが夢中で、限られた事でどれだけ面白い事をやるか、みんなで考えながら遊んでました。
それはとても幸せな時間でした。
あの時は、このメンツで10年も20年も、それこそゲームのサービスが終わるまで遊び続けるんだろうなぁ、と漠然と思っていました。
それほど楽しく、この時間が永遠に続けば良いのに、本気で思ってました。
でも、世の中の常として、出会いがあれば必ず別れはあります。
そしてゲームは、必ず飽きが来るという宿命を背負っているのです。
FF11へ移った人たち、僕のようにラグナロクへ移った人たち、単純にネットゲーム自体を辞めた人たち・・・。
様々な理由はありますけど、あの頃の仲間とは縁遠くなってしまいました。
今でも連絡を取ってる人もいますが、それこそ一人か二人ですし・・・。
時々ふと、あの頃の興奮を共有した仲間は今は何をしているのだろう?、と思うとちょっと切なくなったりします。
しかし僕の場合、移住先のラグナロクではたくさんの友達ができました。
そう、あまりにも単純すぎて忘れていた事だったのですが、別れがあると言うことは、また新しい出会いがあるという事でもあったのです。
だから僕はこう思うのです。
ネットゲームというのは、本当に一期一会の世界なのだなぁ、と。
僕は、今の仲間を大切にしていきたいという思うのです。
PSOで経験からすると、彼らと何らかの形で別れてしまう可能性はゼロとは言い切れません。
だから、その時になって後悔しないためにも、今ある好きという気持ちを精一杯仲間にぶつけていこうと思うのです。
こういう風に考えるキッカケをくれたのは、他でもないPSOです。
だからPSOは僕にとって、とても大きな存在のゲームなのです。
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